歌えマチグヮー 監督について

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監督のことば


新田義貴

6年前、仕事の都合で沖縄に引越し、たまたま住んだ家が栄町市場から歩いて3分というご近所でした。以来、家族は昼間の市場で買い物を、私は仕事帰りに市場内の飲み屋で一杯やるという生活が始まりました。やがて、市場の人々とまるで家族のような付き合いをさせていただくようになりました。

市場を歩くと知り合いがたくさんいて、挨拶や何気ない会話を交わしあう。日常的に、人と人が思い合う。なぜかこんなごく当たり前のことが、自分の心の根っこの部分を“ポっ”と温めてくれるのを感じるようになりました。

そして、私も何か市場の再生のためのお手伝いが出来ないものかと、お祭りなどがあると映像で記録するようになりました。2009年、市場の人たちがCDを制作することになり、その様子をドキュメンタリーとして撮ろうと思い立ちました。すでにみな家族のように親しくなっていたため、市場の人々の自然な姿を撮ることができたのだと思っています。

この映画は、失われつつある“コミュニティ”の再生を描いたつもりです。そしてその肝になるのが、理屈や説明は必要なしに皆がひとつになれる“音楽”です。沖縄を舞台にしていますが、市場や商店街はかつては日本全国どこにでもありました。震災や原発事故をきっかけに、今こうした人と人との絆の大切さが問われていると思います。この映画をひとりでも多くの方にご覧いただき、コミュニティの核としての“市場”の素晴らしさや可能性を感じてもらえる一助になれば、光栄です。

監督プロフィール


新田義貴(にった・よしたか)

ユーラシアビジョン代表。ディレクター、ジャーナリスト。
1969年、東京都出身。慶応義塾大学卒。92年NHK入局。報道局や衛星放送局、沖縄放送局で、主にアジアや中東、アフリカなど第三世界が抱える問題に焦点を当てた番組制作を行う。09年NHKを独立し、映像制作ユーラシアビジョンを設立。テレビや映画など媒体を超えてドキュメンタリー作品の制作を続けている。本作『歌えマチグヮー』が初めての劇場公開映画となる。
テレビ作品:ETV特集「テレビが見つめた沖縄~アーカイブス映像からたどる本土復帰40年」(ギャラクシー月間賞)、NHKスペシャル「イラク・シーア派台頭の衝撃」、NHKスペシャル「“約束の地”からの撤退」、NHKスペシャル「情報聖戦」(ユージーン国際映画祭最優秀長編ドキュメンタリー賞)、ハイビジョン特集「火の民・クルド紀行」、世界潮流「イスラムの挑戦」、NHKスペシャル「アフガン難民」など多数。

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